【エスキュービズム】今、「逆に」CDプレーヤーが売れる理由
面白いと感じたのでメモとして残す。
・CDプレーヤーの市場からソニーが撤退
・ジェネリック家電に属する
・技術は完成されているので、デザインで勝負する
・技術は既にある(生産のための核となる金型を新しく作らなくて良い)ので参入障壁は低い
・市場規模はピーク時の1/4以下だが、市場の数%でもシェアを取れば新興メーカーとしては御の字
・市場調査しても正確なニーズは分からないニッチな市場
・いいモノが売れるのではなく、売れるモノがいい
・最小限の数を作って、まずは市場の反応を見る
・高齢者が演歌CDとのセットを買う
・若者がCD付き参考書などで勉強用に買う
・ノートPCにCDドライブがついてないことが多くなったから、ニーズの隙間ができた
・「あったらいいね」または「なければならない」のどちらか
・売れて分かったCDプレーヤーはなければならない商品だった
・消費者の要望である「あったらいいね」の機能を沢山詰め込んでも、今度は使い方が分からなくなる(多機能が必ずしも良い、売れるとは限らない)
・多機能だと、消費者は迷う
・隙間は必ずある
こ、これは水野愛也氏の「逆に」理論ではないか――。
あとは、ランチェスターの弱者の戦略も垣間見える。
小さい所で一番になる。
大手がいなくなった(敵がいなくなった所に突っ込み、駄目だったらすぐ撤退する)から勝負の余地ができた。
このPDCAを高速に回し、積極的守備型(最初は「ガンガンいこうぜ」からの、戦況を見てすぐさま「いのちをだいじに」に作戦変更するフットワークの軽さ)だからこそ成功したのかなと思った。
そういう作戦だったり、指揮官の手腕によりダメージを少なく、リソースを色々な所に割ける(数を打てる)という戦い方に学ぶ点は多い。
CDプレーヤーという単機能の商品が、iPhoneという多機能の王様みたいなモノから潰されないで生き延びている。
正直、びっくりしたよね。
えー今更誰が買うんや、と。
記事の読後でも、CD付きの参考書は早くDL式にしてしまえばいいのにとも思ったりもする。
数年前から音質の良さが見直されてカセットテープが再流行したように、隙間のニーズだったり、2回目のブームが訪れる様は見ていて面白い。
昔、ちきりん氏も言っていたような・・・。
日本の家電メーカーは多機能・高価格の家電ばっかり作っていた。
今の時代、単機能・低価格の家電で十分間に合わせたいのに、そういう家電を作るメーカーがめちゃめちゃ少ないと。
炊飯器を中国メーカーが作る時、日本の技術をパクりたくて新商品が出ては全分解して中身を調べるということを繰り返す。
日進月歩である炊飯の技術や、遅れている技術の開きを埋めるためのリサーチをしないといけない。
しかし、CDプレーヤーはすでに完済された技術なので、リサーチの段階をスキップできる。
技術から作っていく段階を省略でき、研究費を他に回せる。
ポジティブじゃないとこういう考え方は出来ない。
完成された技術、飽和した市場を見た時に、もう入り込む余地はないなと思考停止してしまうのが普通の反応だと思う。
しかし、そこに隙間を探そうとする姿勢やスタンスが必要なんだなと感じた。
隙間を探そう。
ニッチは必ずある。