鏑木繁の本が刺さる
相場必勝法なる相場の本は世の中にいくらであるけれど、相場地獄編がすべて欠落している。
— 鴨川トモロン (@kamogawa007) 2020年2月28日
先物の世界 相場喜怒哀楽
鏑木繁 著
はい、ほんとその通りでございます。地獄編を書いてくれている林輝太郎先生や立花義正氏の話を素通りしてました。 pic.twitter.com/fyc4IGaTn8
20年前の本なのにね。
この著者、投資ブログなどでおすすめされてないよね。今まで全く聞いたことなかった。しかし、林輝太郎先生の本で何回も名が挙がるから気になっていた。
ネットで調べて彼に関する情報は何も出てこないからもう買うしかないよね。
新しめの本で13年前だもの。
アマゾンでオーディオブックも出てるけど、いずれ買うだろう。
1章2ページ構成で読みやすい。
少々難しい言葉や、古い言い回しのせいで難解な部分もあるが、そこが味があって良い。
で、本題。
彼の本もまた林輝太郎翁と同じで、相場は技術。いくら稼いでも素寒貧になる人は山ほどいる。自分だけが特別と思い上がるな。誰しも同じ欲深さを抱えているのだと。そう伝えるメッセージばかり。
何年立っても色褪せない内容である。
なぜ、投資が失敗するか。なぜ、多くのものが誤解するのか。投資の真髄はシンプル故に、続けることが困難であるのか。いかに人の欲が相場を難しくさせるのか。淡々と書かれている。そこにはこうすれば勝てる!やこの株が儲かる!といった甘い言葉がない。
正直、投資の夢に熱く燃える人にこういう本を差し出しても秒でゴミ箱行きだと思う。
僕が投資を志してチャートを見始めたときに、立花義正氏の本を買っても響かなかったように。
今なら、ほんの少しだけ分かる。
林輝太郎、立花正義、鏑木繁、板垣浩、彼らの著作の良さは負けてからしか分からない。しかもその負けは、大敗か連敗かまたは投資を辞めようと思わせるほどの痛手。
満身創痍で命からがら最前線の戦場から生きて戻ってこれた者にのみ染みる言葉がある。
負けてからしか相場の世界は見えない。今ならそう思える。
まぐれで買っても、今回のようなコロナショック?で資産を溶かす。
塩漬けポジションを切れない、含み益が半分になったポジションを決済できない、資産がゼロになって再起する気も起きない。
そこからいかに這い上がるかが問われる。
はてなには数年まえにこんな記事書いてましたよってアラートメールが来る。
一年前の僕はまだチャート見て買った負けたをやっていた。たった1万通貨の10万資金で専業になりたいとか夢見てる阿呆だった。そこから半年以上、チャートを見れなくなってしまった。
直視できないのだ。自分の欲深さから真面目に投資に向き合って、何回も小さい資金をふっとばして、再戦することを怖がっていたからだ。
また同じ失敗を繰り返すのかと、怖くて怖くてたまらないのだ。
チャートには価格と時間しか書かれていない。
ただそれだけだ。
その背景に人間の心理があるだけ。
客観的に見れば、僕はただのグラフに怯えているだけだ。
しかし、僕はもう知ってしまった。
自分の欲深さや己の未熟さと戦うことを強いられる最高に過酷な戦場であることを。
多くの人のお金が飲まれる場所、相場。
多くの人の強欲や夢、希望、絶望、敗北、血と汗と涙で出来上がるチャート。
そこに何を見る。
負けてからしか、偉大な本は分からない。
負けて、自分の弱さを認めて、そこから這い上がるしか道はない。
勝てるようになった人の誰もが通る道。
誰も避けて通れない。
簡単に勝てるようになった人なぞ一人もいない。
みんな血反吐吐きながらやってんだ。
相場を甘く見てると財布のお金以上に、未来のお金まで吸われる。
良き古本に教えられたことの1/10でも身につけて、技術を磨いて、己の相場道を精進したい。
語るも涙、聞くも涙 https://t.co/lV83uGm11s
— 鴨川トモロン (@kamogawa007) 2020年3月2日